旅費を抑えて楽しむ日本の温泉地巡り|格安でも満足できる温泉旅行の秘訣

 

温泉につかりながら日本の四季を感じる贅沢。

でも「温泉旅行は高い」というイメージから、なかなか足が向かないという方も多いのではないでしょうか。

実は予算を抑えながらも、十分に温泉旅行を満喫する方法があるんです。

この記事では、私が10年間で訪れた全国100以上の温泉地での経験と、旅行業界の専門家の知見をもとに、賢く旅費を節約しながら日本の名湯を巡る方法をご紹介します。

旅費を抑えて温泉旅行を楽しむための基本戦略

温泉旅行で最も費用がかかるのは、宿泊費と交通費です。

まずは基本的な節約戦略を押さえておきましょう。

温泉旅行の予算を効果的に抑えるには、「いつ行くか」「どこに泊まるか」「どうやって行くか」の3点が鍵となります。

私が温泉ライターとして各地を巡った経験から言えるのは、オフシーズンの平日を狙うだけで、ハイシーズンと比べて宿泊費が30〜50%も安くなることがあるという事実です。

日本観光振興協会の調査によると、温泉地の宿泊料金は繁忙期と閑散期で平均40%の価格差があるとされています。

この差を賢く活用することが、旅費節約の第一歩なのです。

オフシーズン・平日を狙って大幅節約

温泉地には必ずハイシーズンとオフシーズンがあります。

例えば、箱根や熱海などの人気温泉地は、紅葉シーズンや年末年始、ゴールデンウィークには宿泊料金が跳ね上がります。

一方、6月の梅雨時期や1〜2月(雪祭りなどのイベントがある北海道を除く)は、比較的空いていて料金も安くなる傾向にあります。

さらに、週末と平日では料金に大きな差があります。

同じ部屋でも、金土に比べて日〜木曜日は20〜30%安くなることが一般的です。

私が実際に草津温泉を訪れた際、土曜日は1泊2食付きで15,000円だった宿が、月曜日には9,800円になっていたことがありました。

この差額だけで、追加の温泉巡りや名物グルメを楽しむことができるのです。

交通費を抑える賢い移動方法

温泉地への交通費も大きな出費になります。

特に遠方の温泉地へ行く場合は、移動手段の選択が旅費全体を大きく左右します。

新幹線や特急列車は便利ですが、料金も高めです。

それに対して、夜行バスや格安航空券を利用すれば、交通費を半額以下に抑えられることも。

例えば、東京から別府温泉へ行く場合、新幹線と特急を乗り継ぐと往復約4万円かかりますが、格安航空券と路線バスを組み合わせれば2万円程度で行けることもあります。

また、JR各社の「旅行商品」を利用すると、通常の乗車券より15〜20%程度安くなるケースが多いです。

交通系ICカードのポイントや、クレジットカードの旅行保険特典なども賢く活用しましょう。

予算別おすすめ温泉地ガイド

次に、予算別におすすめの温泉地をご紹介します。

日本には3,000以上の温泉地がありますが、アクセスのしやすさや宿泊費の相場は地域によって大きく異なります。

ここでは、1泊2日の旅行を想定し、交通費と宿泊費を合わせた総額で分類してみました。

1万円台で楽しめる近場の温泉地

首都圏から日帰りや1泊で行ける温泉地なら、交通費を抑えられるため、総額1万円台でも十分楽しめます。

例えば、神奈川県の湯河原温泉は、東京駅から約2時間、往復交通費は3,000円程度。

平日なら7,000円前後で素泊まりの宿が見つかります。

共同浴場「独歩の湯」は700円で利用でき、地元の銭湯「走り湯」は450円と格安です。

栃木県の那須塩原温泉も、新幹線を使わず在来線とバスを乗り継げば往復4,000円程度。

塩原温泉郷には「古町温泉館」など500円で入れる共同浴場があり、宿も平日なら8,000円台から見つかります。

関西圏からなら、和歌山県の白浜温泉や三重県の湯の山温泉がおすすめです。

どちらも日帰り入浴施設が充実しており、平日限定の宿泊プランを利用すれば1万円台で1泊2日の旅が可能です。

2万円台で訪れる中距離の名湯

予算が2万円台なら、少し足を伸ばして有名温泉地も狙えます。

群馬県の草津温泉は、東京から特急と路線バスを使って片道約3,500円。

「湯畑」周辺には無料の足湯がいくつもあり、共同浴場「御座の湯」は600円で本格的な草津の湯を体験できます。

宿は平日なら1泊2食付きで1万円台から見つかるため、往復交通費を含めても2万円程度で収まります。

長野県の野沢温泉も、シーズンオフ(スキーシーズン以外)なら比較的リーズナブル。

13ヶ所ある外湯めぐりは全て無料で利用でき、宿も1泊2食付きで1万円台からあります。

関西からなら、兵庫県の城崎温泉が2万円台で十分楽しめます。

外湯めぐり券(1,300円)を購入すれば7つの共同浴場を巡ることができ、浴衣姿で町を散策する風情は格別です。

3万円以上で行く遠方の秘湯

予算に余裕があれば、東北や九州の名湯も視野に入れてみましょう。

秋田県の乳頭温泉郷は、7つの温泉宿が点在する秘湯エリア。

「鶴の湯」や「孫六温泉」など、それぞれに個性的な湯を楽しめます。

東京からは夜行バスと路線バスを組み合わせれば往復2万円程度、宿泊は1泊2食付きで1.5万円からとなります。

大分県の別府温泉は「地獄めぐり」が有名で、市内には約3,000もの源泉があります。

格安航空券を上手く予約すれば往復2万円台も可能で、市内には2,000円台から泊まれる素泊まり宿も多数あります。

「砂湯」や「柴石温泉」など、400〜500円で入れる共同浴場も充実しているため、宿泊費を抑えつつ様々な温泉を楽しめます。

宿泊費を抑えるための具体的テクニック

温泉旅行の予算の中で最も大きな割合を占めるのが宿泊費です。

ここでは、宿泊費を効果的に抑えるためのテクニックをご紹介します。

日帰り温泉と宿泊を組み合わせる方法

温泉地に1泊するとしても、必ずしも高級旅館に泊まる必要はありません。

温泉地周辺のビジネスホテルに宿泊し、日帰り入浴施設を利用するという方法があります。

例えば、箱根温泉では、小田原市内のビジネスホテルに泊まれば5,000円前後。

そこから箱根湯本まで電車で20分ほどで、「天山」や「テナガシマ」など1,000〜2,000円で日帰り入浴できる施設が多数あります。

草津温泉でも、草津町内のペンションやゲストハウスなら素泊まり5,000円台から。

そこに共同浴場や日帰り入浴施設の利用料(500〜2,000円程度)を加えても、旅館の1泊2食付きプランより大幅に安く済みます。

この方法なら、様々な温泉を巡りながら宿泊費を抑えられるという一石二鳥の効果があります。

素泊まりプランと地元食堂の活用

温泉旅館の1泊2食付きプランは便利ですが、その分料金も高くなります。

素泊まりプランを選び、食事は地元の食堂やレストランで取るという方法も効果的です。

同じ旅館でも、2食付きと素泊まりでは3,000〜5,000円の差があることが一般的。

地元の食堂なら1,000〜2,000円程度で食事ができるため、差額分を浮かせることができます。

例えば、私が訪れた熱海温泉では、素泊まり7,000円の宿に泊まり、朝食は商店街の喫茶店で500円、夕食は海鮮居酒屋で2,000円と、食事代を合わせても1万円以下で済みました。

同じ宿の2食付きプランは12,000円だったので、2,000円以上節約できたことになります。

また、地元の食堂を利用することで、その土地ならではの食文化も楽しめるという副次的なメリットもあります。

予約サイトのクーポンと割引を最大活用

宿泊予約サイトのクーポンや割引を上手く活用することも重要です。

楽天トラベルやじゃらん、Yahoo!トラベルなどの大手予約サイトでは、定期的にクーポンキャンペーンを実施しています。

5〜15%の割引クーポンを利用すれば、1万円の宿なら1,000〜1,500円の節約になります。

また、同じ宿でも予約サイトによって料金が異なることがあるため、複数のサイトで比較することをおすすめします。

さらに、楽天トラベルなら楽天ポイントが貯まりますし、じゃらんならPontaポイントが貯まるなど、ポイント還元も見逃せません。

私の経験では、大型連休の3ヶ月前頃に「早期予約割引」と「クーポン」を組み合わせると、最大で通常料金の30%程度安くなることもありました。

ただし、これらの特典は予約のタイミングや在庫状況によって変わるため、こまめにチェックすることが大切です。

温泉地での賢い楽しみ方

温泉地に着いてからも、賢く予算を使うことで満足度を高められます。

ここでは、現地での効率的な楽しみ方をご紹介します。

無料の足湯と共同浴場の活用法

多くの温泉地には、無料で利用できる足湯や手湯が設置されています。

例えば、草津温泉の湯畑周辺には6ヶ所の足湯があり、道後温泉には「放生園足湯」など複数の無料足湯があります。

これらを上手く活用すれば、温泉気分を味わいながら町歩きを楽しめます。

また、共同浴場(外湯)は旅館の日帰り入浴よりもリーズナブルなことが多いです。

城崎温泉の外湯は1ヶ所600円ですが、7ヶ所共通券なら1,300円。

有馬温泉の「金の湯」「銀の湯」も650〜800円で本格的な温泉を楽しめます。

地元の人々も利用する共同浴場は、観光客向けの日帰り入浴施設より料金が安いだけでなく、地元の雰囲気も味わえるという魅力があります。

地元の観光案内所で得られる特典情報

温泉地の観光案内所は、予算を抑えて旅行を楽しむための強い味方です。

多くの案内所では、入浴施設や観光スポットの割引クーポン、地元限定の特典情報を提供しています。

例えば、登別温泉の観光案内所では「湯めぐり手形」(3ヶ所の日帰り入浴が1,500円)を販売しており、個別に入ると3,000円以上かかる施設を半額以下で利用できます。

また、地元の祭りやイベント情報、穴場スポットなど、ガイドブックには載っていない情報も入手できます。

私が伊東温泉を訪れた際は、観光案内所で教えてもらった地元民向けの小さな共同浴場「松原共同浴場」が100円で利用でき、地元の方々との交流も楽しめました。

観光案内所のスタッフは地元に詳しいプロフェッショナルです。

予算や好みを伝えれば、それに合ったアドバイスをしてくれるので、必ず立ち寄るようにしましょう。

温泉地の無料・格安アクティビティ

温泉に入る以外にも、予算を抑えながら楽しめるアクティビティはたくさんあります。

多くの温泉地では、無料の散策コースや展望スポットが整備されています。

例えば、別府温泉の「血の池地獄」や「海地獄」などの地獄めぐりは有料ですが、市内には「別府地獄蒸し工房」など無料で見学できるスポットもあります。

また、地元の朝市や商店街散策も楽しいものです。

熱海温泉の平日朝市では、新鮮な魚介類や地元の野菜が市価より安く手に入ります。

伊香保温泉の石段街では、無料の試食を楽しみながら散策できます。

さらに、多くの温泉地では地元の観光協会が無料のウォーキングツアーを実施していることも。

これらを活用すれば、追加費用をかけずに温泉地の魅力を深く知ることができます。

季節別おすすめ温泉地と予算の目安

温泉旅行は季節によって魅力が変わります。

ここでは、季節ごとのおすすめ温泉地と、その時期に訪れる際の予算の目安をご紹介します。

春(3〜5月)の桜と新緑の温泉

春は桜と新緑の季節。

この時期におすすめなのが、山形県の銀山温泉です。

大正ロマン漂う街並みと桜のコントラストは絶景で、4月中旬〜下旬が見頃。

平日なら1泊2食付きで15,000円前後から宿が見つかります。

東京からの交通費は往復で約15,000円(新幹線利用)なので、2泊3日で総額4万円程度が目安です。

また、栃木県の鬼怒川温泉も春におすすめ。

「龍王峡」の新緑ハイキングは無料で楽しめ、宿も平日なら1泊2食付きで1万円台から。

東京からの交通費は往復7,000円程度なので、1泊2日なら総額2万円台で十分楽しめます。

春は桜の時期を除けば比較的オフシーズンのため、人気温泉地でも予算を抑えやすい季節です。

夏(6〜8月)の避暑と高原温泉

夏は高原の温泉地がおすすめです。

長野県の白骨温泉は標高1,500mに位置し、真夏でも涼しく過ごせます。

白濁した硫黄泉が特徴で、夏は比較的空いているため、1泊2食付きで12,000円前後から宿泊可能。

東京からの交通費は往復で約12,000円なので、1泊2日で総額2.5万円程度が目安です。

また、群馬県の万座温泉も夏の避暑に最適。

標高1,800mに位置し、強酸性の湯は美肌効果も高いと言われています。

夏休み期間を除けば1泊2食付きで15,000円前後、東京からの交通費は往復10,000円程度なので、1泊2日で総額2.5万円が目安です。

夏は海水浴場に近い温泉地は混雑しますが、山間部の温泉地は比較的空いているため、予約も取りやすく料金も安定しています。

秋(9〜11月)の紅葉と温泉

秋は温泉旅行のハイシーズン。

特に紅葉の時期は人気が高まるため、早めの予約と予算の確保が必要です。

福島県の磐梯熱海温泉は、紅葉と温泉の組み合わせが絶妙。

「五色沼自然探勝路」は入場無料で、美しい紅葉と神秘的な湖沼群を楽しめます。

紅葉シーズン(10月中旬〜11月上旬)は混みますが、平日なら1泊2食付きで15,000円前後。

東京からの交通費は往復12,000円程度なので、1泊2日で総額3万円が目安です。

また、秋田県の乳頭温泉郷も紅葉の名所。

特に「鶴の湯」周辺の紅葉は絶景ですが、この時期は予約が取りにくく、料金も上がります。

1泊2食付きで20,000円前後、東京からの交通費は往復20,000円程度なので、1泊2日で総額4万円が目安です。

秋の温泉旅行では、紅葉の見頃の1〜2週間前か後に訪れると、比較的空いていて料金も抑えられます。

冬(12〜2月)の雪見温泉

冬は雪景色と温泉の組み合わせが魅力的。

新潟県の越後湯沢温泉は、スキーリゾートとしても有名ですが、スキーをしなくても雪見温泉を楽しめます。

「ガーラ湯沢」周辺には日帰り温泉施設が多く、800〜1,500円程度で利用可能。

宿も平日なら1泊2食付きで12,000円前後から見つかります。

東京からの交通費は往復8,000円程度なので、1泊2日で総額2万円台が目安です。

また、青森県の酸ヶ湯温泉も冬の風物詩「地獄沼の雪の回廊」が有名。

「千人風呂」と呼ばれる大浴場は混浴(女性専用時間あり)で、雪景色を眺めながら入浴できます。

1泊2食付きで15,000円前後、東京からの交通費は往復25,000円程度(飛行機利用)なので、1泊2日で総額4万円が目安です。

冬は年末年始を除けば比較的空いている温泉地も多く、特に1〜2月は宿泊料金が下がる傾向にあります。

まとめ:予算を抑えながらも充実した温泉旅行を

日本の温泉地巡りは、必ずしも高額な予算を必要としません。

この記事でご紹介したように、オフシーズンや平日を狙う、交通手段を工夫する、宿泊と食事のプランを分けるなど、いくつかのポイントを押さえるだけで、大幅に旅費を抑えることができます。

温泉旅行の魅力は、高級旅館の豪華さだけではありません。

地元の人々との触れ合い、共同浴場での素朴な温泉体験、温泉街の散策など、お金をかけなくても楽しめる要素はたくさんあります。

私自身、限られた予算の中で全国の温泉地を巡ってきましたが、むしろ予算を抑えることで地元の生活に近い形で温泉地の魅力を発見できたと感じています。

日本には3,000以上の温泉地があり、それぞれに独自の魅力があります。

この記事を参考に、ぜひあなたも予算を気にせず、日本の温泉文化を存分に楽しんでください。

温泉旅行は、心と体を癒す贅沢な時間。

賢く計画すれば、その贅沢を無理なく、何度でも味わうことができるのです。

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